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久しぶりに、愛呼の飛翔に乗って、 空を飛びました。 高く、高く、空気が薄くなるところまで、飛びました。 それから、一気に、 駆け下るように下りたところは、 雪解けの原生林でした。 地に足が着いているのか、いないのか、 愛呼は、本来の愛呼の姿で、 軽やかに雪解けの道を歩いていきます。 愛呼の歩みが少し早くなって、 行く手に、ほの明るい光がさしていました。 弾む声で、愛呼が、呼びます。 転びそうになりながら、仁も、愛呼の元へ駆け寄りました。 「ねっ!」 といって愛呼が指さす方に、 紫色の花が、坂をずっと、上っています。 カタクリの原生林です。 夢のようです。 こんな原生林を仁は見たことがありませんでした。 一度は、巡り会いたいと、夢のように、願っていたのでした。 愛呼にも、その夢を、何度も語っていたから、 連れてきてくれたのですね。 愛呼、ありがとう。 うっとりと見とれている仁の目の中で、 愛呼は、カタクリの中を、ゆっくりと、遊泳するのです。 ゆるやかに、ゆるやかに、カタクリさん達の上を飛翔するのです。 愛呼が、一緒に遊泳するように呼びかけるのですけれど、 仁は、カタクリさん達と、その上を舞う愛呼の飛翔を見ているだけで、Happyでした。 ときどき、からかうように、愛呼は、仁の頭上を回転するのですけれど、 その飛翔も、心地好い波動なのでした。 ゆるやかな、ゆるやかな、至福の時を、 日が暮れるまで、楽しんでいるのでした。 カタクリさんの花の芯をまじまじと見たことはありませんでした。 その芯のまわりを 桜の花の形をした模様がくっきりと描かれています。 「蜜標」というんだそうです。 誰が描いたのでしょうね。 カタクリさん自身が描いたのですね。 「どうして?」 まだ、春になったばかりで、虫さんもいないでしょ。 虫さんや蝶さんが、少しでも早く、自分たちを見つけてくれるよう紫色を一斉に咲かせるのよ。そして、よく目立つように、桜の紋を刻み込んだの。 「へぇ、そうなんだ。でも、どうして、虫さん達が桜を好きだって、カタクリさんわかったんだろうね」 それはね、北国の桜は、春爛漫、一気に咲き誇って、大地を照らすの。北国の春そのものなの。 「そうなんだ、仁は、北国の桜さん、まだ、見たことないから、その凄さがわからないんだよね」 来年の桜の時期には、愛呼が、連れてきてくれると、約束してくれました。 ★★★ 『 散るまでを心尽くして生きるべし 』 ★ ネット吟行 04801 へどうぞ!!! ♪♪♪ ![]() |
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